健康的な体を維持するためには、毎日じゅうぶんな野菜を摂取することが重要です。厚生労働省では、350gを1日の野菜摂取量の目安と定めています。
しかし、実際は多くの人が1日の目安量に達していません。
この記事では、野菜摂取が重要な理由と、野菜を多く摂る具体的な方法を紹介します。記事を読めば、野菜摂取量を増やして健康的な体を維持し、長生きできる可能性が高くなります。
厚生労働省が推奨する1日の野菜摂取量
厚生労働省は大人が1日に必要とする野菜摂取量を350gとしています。これは、日本の食事摂取基準に基づいた目安で、身体に必要な栄養素を得て健康を維持するために必要な量です。
推奨される摂取量は成人を対象としており、年齢や性別によって必要な量は異なります。自分にあった量を摂れるよう日々の食生活を意識しましょう。
野菜摂取が重要な理由
野菜摂取が重要な理由を2つあげます。
- 野菜には多くの栄養素が含まれる
- 野菜不足は健康に悪影響を与える
野菜には多くの栄養素が含まれる
野菜摂取が重要な理由は、健康な体を維持するために欠かせない栄養素が豊富に含まれているからです。ビタミンやミネラル、食物繊維などが、私たちの体の多様な機能を支えています。
抗酸化物質は免疫力を高め、食物繊維は腸内環境を整えるなど、栄養素ごとに健康を害するリスクを避ける働きがあります。
野菜をじゅうぶんに摂取しないと、栄養バランスが崩れて生活習慣病のリスクが増加します。健康的な生活がおくれるよう、日常の食事で野菜をしっかりと摂りましょう。
野菜不足は健康に悪影響を与える
野菜摂取量が足りないと健康に悪影響が出ることがあります。健康を維持するために必要な栄養素が不足すると、免疫力が低下するおそれがあり生活習慣病のリスクも高まります。
野菜不足は便秘や肥満の原因になることもあります。野菜の色や種類によって含まれる栄養素が異なるため、バランスよくな様々な種類の野菜を摂ることが大切です。
» 健康維持に役立つバランスの摂れた食事
野菜摂取量の現状
野菜摂取量の現状として、リアルなデータと原因についてまとめました。
- 日本人の平均野菜摂取量は少ない
- 野菜摂取量が不足する原因
日本人の平均野菜摂取量は少ない
日本人の平均野菜摂取量は少ないです。多くの日本人がじゅうぶんな野菜を摂取できていない問題が指摘されています。
平成30年の調査では、平均野菜摂取量が成人男性で約290g、女性で約270gとなっています。特に20~30歳代は男性で約260g、女性で約240gと目安量よりも約100gも少ないです。
» eヘルスネット(外部サイト)
野菜摂取量が不足する原因
野菜摂取量が不足する原因は以下の通りです。
- 外食やコンビニ食が増えている
- 野菜の価格が高騰している
- じゅうぶんな食事時間を確保できない
- 食生活が欧米化している
- 肉中心の食事傾向である
- 野菜を摂る重要性に対する意識の低さ
現代の多忙なライフスタイルでは、時間に追われて食事のための時間が短縮しています。結果として、外食やコンビニ食が増え、野菜を含んだバランスのよいメニューを摂取する機会が減ってしまいます。
野菜よりも肉やカップ麺を中心とする食生活が広がって野菜の重要性が見落とされがちだったり、家庭での野菜の調理が手間と感じ調理を避ける傾向にあるのも一因です。
経済的な面からも野菜不足は促されます。近年の野菜価格の高騰により、家計に負担がかかって購入を控えるケースもあります。
» 上手な節約術と健康を考えた食事計画
野菜を多く摂る方法
野菜を多く摂る方法をいくつか紹介します。
- 加熱調理してカサを減らす
- 作り置きしておく
- 味変して飽きない工夫をする
- 野菜中心のメニューを多く取り入れる
- 冷凍野菜を活用する
- 食材宅配を利用する
加熱調理してカサを減らす
野菜を加熱すると水分が蒸発してカサが減り、一度にたくさんの量を食べやすくなります。
加熱調理は、普段野菜をあまり食べない人にも適した調理法です。加熱によって食物繊維が柔らかくなり消化しやすくなるため、食べたときの負担が減ります。
加熱調理のおすすめポイント
- ボリュームが減って見た目にも食べやすくなる
- 消化しやすくなり体への負担が減る
- 電子レンジで簡単に調理できる
キャベツやほうれん草は生だとカサ張りますが、加熱すると量が減るので摂取しやすくなります。蒸したり炒めたりすると別の食感や味わいがでて飽きずに食べられます。
作り置きしておく
忙しい毎日の中で、毎食たくさんの野菜を調理するのは大変です。作り置きをすることで、日々の野菜摂取量を簡単に増やせます。
時間があるときに煮物やポテトサラダのような保存できる料理を作り置きしておくと、平日の食事作りが格段にラクになります。また、カット野菜を保存容器にストックしておくと、忙しいときでもすぐに野菜を取り出せて便利です。
作り置きを使った調理アイデア
- 煮物はカレーに、ポテトサラダはサンドイッチの具にアレンジ
- カット野菜でスムージーを作る
手軽に野菜を食べられる状態を常に保つことで、毎日の野菜摂取量を無理なく増やせます。
味変して飽きない工夫をする
野菜の摂取を楽しむためには、日々の食事に変化をつけることが大切です。調理方法や調味料を変えるなど、飽きないための工夫をしてみましょう。同じ野菜でも新しい発見があり、飽きずに続けられます。
飽きずに野菜を摂るための工夫
- サラダに異なる種類のドレッシングを活用したり、ハーブを加えたりする
- 季節にあった旬の野菜を活用して、その時期ならではの味わいを堪能する
- 世界各国の料理に挑戦し、メニューを工夫する
日常のメニューに工夫を凝らすと、同じ野菜を使った料理でも味の違いを感じられます。
野菜中心のメニューを多く取り入れる
野菜中心のメニューは多くの栄養素を含んでおり、メインディッシュとしても適しています。
野菜炒めをメインにしたり、スープやサラダを前菜として用意するのもおすすめ。サンドイッチやパスタのトッピングに新鮮な野菜をたっぷり使うと、見た目がキレイで栄養も抜群です。
野菜中心メニューの調理アイデア
- 野菜ジュースやスムージーにして飲む
- 市販の野菜ジュースは、食物繊維が破壊されていたり糖質が多く含まれる商品が多いです。手作りだと自分で味や素材の調整ができ、たくさんの野菜を手軽に摂取することができます。
- 世界各国の料理に挑戦する
- インドのカレーや地中海のラタトゥイユなど、野菜に穀物や豆類を組み合わせることで栄養バランスを考えながらも満足感のある食事になります。
おやつに野菜スティックや野菜チップスを選ぶと、より健康的な食生活になります。お菓子と置き換えて食べる習慣が作れると、厚生労働省の目安である350gに大きく近づくでしょう。
冷凍野菜を活用する
カット済みの冷凍野菜を活用すれば、野菜を簡単に調理することができます。
近年、野菜価格は高騰しており、旬の時期を過ぎると「野菜が高くて買えない…」ということも珍しくありません。冷凍野菜は、旬の時期に収穫して新鮮なうちに瞬間冷凍しているものが多く、価格が安定しているので安心です。
» 冷凍食品が体に悪いと誤解される理由
冷凍野菜を活用するメリット
- 解凍するだけ、温めるだけ、そのまま炒めてOKなど調理が簡単
- 自分で味付けなどのアレンジが可能
- スーパーなどで気軽に購入できる
- カット済のものが多く調理しやすい
食材宅配を利用する
食材宅配を利用して献立作りの手間を減らすことは、野菜不足を解消する方法の一つです。
下ごしらえ済の食材セットを購入すれば、買い物時間や調理時間が大幅に短縮され、料理へのハードルがぐんと低くなります。
» おすすめの食材宅配サービス5選
野菜宅配を利用して旬の新鮮な野菜を購入するのもおすすめ。野菜そのものの味がいいと無理なく食べることができます。
現代の多忙なライフスタイルの中で、毎日たくさんの野菜を摂取するのは大変です。便利なサービスや商品をうまく活用して野菜不足を解消しましょう。
野菜調理の手間を減らすおすすめ商品
- ミールキット
- 食材や調味料が必要な分だけ用意されたレシピ付き献立セット。買い物の手間が省けて下準備も不要なので、一人暮らしや共働き世帯に人気です。
» ミールキットとは?利用するメリットとデメリット - 冷凍弁当
- 「自分で料理する時間がない」という人には冷凍弁当がおすすめ。栄養バランスを考えて作られているものも多く、温めるだけで献立が完成します。
野菜摂取量を知る方法
野菜の摂取量を知るための方法を紹介します。簡単にできるので試してみてください。
- 野菜350gの目安を覚えておく
- 家にあるもので野菜の量を測る
- サイズ別に摂取目安を作る
野菜350gの目安を覚えておく
野菜350gの具体的な目安は以下の通りです。
- 大きいトマト3個
- ほうれん草2束
- 手のひらいっぱいに詰めた野菜2杯分
見慣れた野菜で目安を覚えておくとイメージしやすいです。日々の野菜摂取量を簡単に把握できるので、健康的な食生活への第一歩につながります。
家にあるもので野菜の量を測る
家にあるものでも簡単に野菜の量を測ることができます。適切な野菜摂取量を把握し、健康的な食生活を心がけましょう。具体的な方法は以下の通りです。
- 計量カップを使用する
- 空き瓶や容器を使う
- スケールを使用する
- スマートフォンのアプリを活用する
家に何もない場合は、スマートフォンのアプリを活用するのがおすすめです。どうしても正確な量を知りたい場合は、市販のスケールで重さを計ってください。
サイズ別に摂取目安を作る
野菜のサイズ別に摂取量の目安を作って、それをいくつ摂れば350gになるのか把握しておけば、必要な野菜量を簡単に計算できます。
小さい野菜では数個、中くらいの野菜では半分程度、大きな野菜は複数に分けてその1個を摂取単位とします。
野菜ごとの簡易的な目安の例です。自分で計算しやすい目安を作りましょう。
- ミニトマトは3~4個で1つ
- にんじんは半分程度で1つ
- キャベツは2~3枚の葉で1つ
日々の野菜摂取量を簡単に把握できれば、目安である350gに大きく近づくでしょう。
野菜摂取量に関するよくある疑問
野菜摂取量に関するよくある疑問について解説します。
生野菜と加熱野菜、どちらが野菜摂取に適している?
欲しい栄養素によって異なりますが、バランスよく摂取するのがおすすめです。
- 生野菜は水溶性ビタミンを摂取したいときにおすすめ
- 熱に強い食物繊維やミネラルは、加熱しても破壊されない
- 加熱したほうが吸収効率がよい栄養素もある
トマトに含まれるリコピンは加熱することで吸収率が高まります。リコピンを摂りたい場合は加熱して摂取するのがおすすめです。
市販の野菜ジュースは野菜摂取にカウントされる?
野菜ジュースは、野菜を摂取する際の補助手段として便利です。野菜ジュースには、ビタミンやミネラル、食物繊維といった栄養素が含まれており、日々の野菜不足を手軽に補うことができます。
» 野菜ジュースに含まれる栄養素と選び方のポイントを解説!
市販の野菜ジュースは、食物繊維が破壊されていたり、糖質が多く含まれているものがあります。購入する際には健康に配慮したものを選ぶことが大切です。
野菜の摂取量を増やすには、どんな種類を選べばよい?
野菜の摂取量を増やすためには、色々な種類の野菜を選ぶことが大切です。根菜類や果菜類など、複数種類を意識して選びましょう。季節ごとに旬の野菜を積極的に摂ると、新鮮で栄養価の高い野菜を楽しめます。
まとめ
厚生労働省が推奨する1日350gの野菜摂取は、健康を維持するために非常に重要です。野菜には体を健康に保つために必要な栄養素が豊富に含まれています。しかし、日本の平均的な野菜摂取量は推奨量に達していないのが現状です。原因としては、忙しさゆえの食習慣が挙げられます。
食材宅配など便利なサービスを活用するのもおすすめです。毎日の食事に野菜を上手に取り入れて、健康的な生活を送れるように習慣化しましょう。
» おすすめの食材宅配サービス5選
野菜不足は様々な健康リスクを招くため、野菜を多く摂るための方法を知ってきちんと実践することが大切です。加熱調理や作り置きは、比較的簡単なので、ぜひ試してみてください。