生協とは?初心者向けに生活協同組合の基本を分かりやすく解説!

生協とは?初心者向けに生活協同組合の基本を分かりやすく解説!

聞いたことはあるけれど、実際の利用者にならないとよくわからない生協(生活協同組合)。この記事では、生協の概要やメリット・デメリットなどを解説していきます。

記事を読めば、生協への理解が深まり、賢く活用するための知識が身につきます。生協を上手に利用して、日々の生活をより豊かにしましょう

生協の概要

生協(生活協同組合)の概要

生協の概要について以下の3つの視点で解説します。

  • 生協の歴史
  • 生協の運営構造
  • 生協が提供するサービス

生協の歴史

生協の歴史は、19世紀イギリスの労働者ロッチデール構成開拓者組合を設立したのがきっかけです。
» 日本生活協同組合連合会(外部サイト)

日本でも1879年に、東京で最初の消費組合が設立されました。しかし、マスコミのリーダーが主導で、出資金が高くて短期間で終了しています。日本生協連の前身ができたのは1945年であり、正式に現在の日本生協連になったのは1951年のことです。

生協の運営構造

生協は、消費者と生産者が共同で運営する非営利の組織です。組合員のくらしに奉仕するものでなければならず、営利目的に事業を行ってはならないと定めています。
» 日本生活協同組合連合会(外部サイト)

組合員は、生協の商品やサービスの利用に留まらず、運営にも参加することが可能です。品質の高い商品やサービスは、共同購入や共同販売を通じて提供されており、運営資金は組合員からの出資金によって賄われます。得られた利益は組合員への還元または生協の運営資金として再投資が可能です。

重要な運営決定であっても1人1票の原則に基づいて行われており、平等の議決権があります。独特な仕組みが生協の特徴であり、利用者が直接経営に関われる点が大きな魅力です。

生協が提供するサービス

生協が提供する具体的なサービスは以下の通りです。

  • 食品の宅配
  • 日用品の販売
  • 組合員による店舗運営
  • 子育て支援割引
  • 福祉・介護の相談

生協は宅配サービスだけをやっている訳ではありません。生活の根幹に関わるサービス内容もあり、生協が地域社会に根ざした組織であると言えます。

生協の利用方法

生協(生活協同組合)の利用方法

生協の利用方法を以下の2つに分けて解説します。

  • 生協に加入する手順
  • 生協で買い物する手順

生協に加入する手順

生協への加入手順は以下の通りです。

  1. 生協の公式ウェブサイトにアクセス
  2. 該当する地域を選んで資料請求
  3. 加入申込書に必要事項を記入
  4. 申込書と出資金を生協に提出

生協はかなり細かく地域で分かれています。出資金の額は生協によって異なりますが、およそ500円~1,000円程度です。買い物をする前に、生協の規約や利用方法を確認しておきましょう。

生協で買い物する手順

生協で買い物する手順は簡単です。商品カタログやチラシから購入したい商品を選び、注文書を提出するだけです。注文書を提出した翌週に商品が届きます。注文するときは、商品ごとに番号が割り振られているため、記入ミスや入力ミスに注意しましょう。

定期的に商品を購入できますが、調理するレシピなどをあらかじめ計画しておく必要があります。注文はインターネットのほかにFAXや電話でも受け付けています。家にいながら買い物できるのが魅力です。近所の人や会社の人と共同購入もできるため、うまく活用しましょう。

生協のメリット

生協(生活協同組合)のメリット

生協を利用するメリットを3つ紹介します。

  • 品質の安全度が高い
  • 価格の適正さと割引制度がある
  • 組合員が経営に参加している

品質の安全度が高い

生協は品質の安全性に力を入れています。厳格な品質管理基準を設けており、安全性の高い生産方法を採用しています。

添加物も1日摂取許容量の範囲内に収まっているので安心です。農薬は最小限に抑えた安心できる原材料を確保しており、どこでどのように作られたかも明記しています。独自の安全検査や品質チェックを行い、組合員の健康と安全を最優先に考慮した商品選びを実施しています。

価格の適正さと割引制度がある

生協の商品は、適正価格で割引制度があるのもメリットです。市場価格と比べてもお得な場合が多く、消費者にとってありがたいポイントとなっています。適正価格を実現する秘密は、生協が大量購入によるコスト削減を価格に反映させているからです。

生協は、会員向けの特典も充実しています。具体的には、子供がいる家庭の場合、母子手帳交付から満1歳までの1年間は配送料が無料になる割引サービスが利用可能です。食品だけではなく、生活雑貨やアウトレットのセールも開催しています。割引制度を上手に活用して、よりお得に商品を購入しましょう。

組合員が経営に参加している

生協に加入することで、組合員は組織の経営に参加できます。組合員は定期的に開催する総会で投票を行う権利があり、生協のサービスや方針に反映されます。

議決権も1人1票と平等です。組合員は理事や監事として運営陣に選ばれる可能性もあります。生協は組合員の意見を大切にし、サービスの改善につなげています。買い物の場にとどまらず、経営への参加を通じて成長できるコミュニティです。

生協のデメリット

生協(生活協同組合)のデメリット

生協のデメリットを3つ解説します。

  • 商品の種類と選択肢が限定される
  • 配送スケジュールの制約がある
  • 出資金の拠出が義務付けられる

商品の種類と選択肢が限定される

生協の商品ラインナップは一般のスーパーマーケットと比較すると限定的です。希少な食材や特定ブランドの製品を求める場合は、不向きになる場合があります。季節商品や限定商品も存在するため、欲しいタイミングで手に入らないケースも存在します。

配送スケジュールの制約がある

配送スケジュールの制約がある

生協での買い物は、配送スケジュールの制約があります。 配送スケジュールは地域や生協によって異なり、週に一度または隔週で、固定曜日に配送が行われるのが一般的です。

配送時間帯が限られており、受け取りが難しい場合もあります。 配送先の住所によっては、配送日が制限されることも多いです。組合員として生協を利用する際には、注文締め切り日の前に注文する必要があります。締め切りをと過ぎる次回の配送まで待たなければなりません。注文期限や配送日をきちんと確認し、頼み忘れがないように気をつけましょう。

出資金の拠出が義務付けられる

生協への加入時、出資金の拠出が必須です。出資金の金額は生協によって異なります。出資金は生協の運営基金として活用され、組合員が生協から脱退する際には返金されます。運営の透明性や安定性を保つための重要なお金です。

出資金には配当が付くケースがあるため、組合員にとっては収益源にもなります。出資金システムは、組合員が生協を支援し、利益に直接関われる仕組みです。

生協の多様な取り組み

生協(生活協同組合)の多様な取り組み

生協は買い物をする場所という位置付けに留まりません。具体的な取り組みは以下の通りです。

  • 地域社会への貢献活動
  • 環境保護に対する取り組み

地域社会への貢献活動

生協は地域社会への貢献活動に力を注いでいます。具体的な活動は以下の通りです。

  • 地域の食料支援プログラムへの参加
  • 非営利団体との連携によるボランティア活動
  • 子供向けの食育プログラム
  • 教育機関への奨学金や教材の提供
  • 高齢者や障がいを持つ人々へのサービス
  • 災害時の救援物資の提供

宅配だけに留まらず、地域の生活に深く根ざした組織であることの証明です。持続可能な地域経済を支えるために、重要な役割を果たしています。

環境保護に対する取り組み

生協の環境保護に対しては以下の取り組みが挙げられます。

  • 環境に優しい商品の拡充
  • 食品廃棄物の削減とリサイクルの推進
  • 持続可能な農業の支援
  • 再生可能エネルギーの使用促進
  • 地域と連携した環境保全活動

環境保護は今日の社会において非常に重要な課題です。生協も、取り組みには積極的で、さまざまな活動を行っています。目指すべき姿は、地球にやさしい持続可能な社会の実現です。生協は組合員や地域社会が一丸となって、環境に優しい商品の選択を増やす努力をしています。

プラスチックの削減にも力を入れており、包装材の見直しを通じて環境負荷を低減しています。食品廃棄物は大きな問題です。生協では廃棄物削減とリサイクルの推進を図っています。地域と連携した環境保全活動を通じて、より広範な環境保護を目指しています。

まとめ

まとめ

生協は、組合員が安全で品質の高い商品を適正価格で手に入れられる組織です。組合員として加入することで、商品購入時の割引制度などのメリットがあります。組合員は組合の運営に参加し、自らの声を経営に反映させることも可能です。

しかし、生協を利用するにはデメリットもあります。具体的には、商品の選択肢が限られる場合や配送スケジュールに制約があることなどが挙げられます。デメリットを把握したうえで、上手に活用する工夫が必要です。

組合員として参加できるため、単に食材を買うツールとしてだけではなく、社会全体への貢献を実感できます。利便性だけではなく、社会的意義を兼ね備えた組織の一員としても活動してみましょう。